ステファニー
無慈悲にも「ダウンヤード」へ連れていかれたステファニーを取り戻すべく、
アピスは貴族の少年エルマを自分の家に招いて、島の下層へ行くための方法をいっしょに考える事にしました
『アピスのくつ、ぼくのよりおっきいや♪』
何を思ったのか、アピスちゃんの白い革靴を足に履いてクスクス笑うリトアくん
アピスが『もうっ!悪戯しないで頂戴』と怒ると、今度はぼーっとして倒れそうになったのでエルマくんがあわてて支えてあげました
『お昼寝したいんだってさ
まだ小さいからね彼…ベッドに寝かせてあげよう』
小さな幼子の訳の分からない気まぐれ行動にアピスちゃんとエルマくんは苦笑い
リトアを寝かしつけた後、二人で床に座って「地図」を眺めながらダウンヤードに行くための道のりについて話し合いました
『途中で「滝の洞窟」を通る必要があるね…あそこは魔物だらけだし、
入り口はマーレ家によって管理されているから、ダウンヤードに行く時はマヤも誘っといた方がよさそうだ』
エルマくんはもう一人、水を司る上級貴族「マーレ家」のマヤという女の子を仲間に入れるべきだと言いました
『そのマヤって子には会った事ないけど、エルマくんがそう言うなら信じるわ!
大丈夫よ…もしも道中で恐ろしい魔物に出会ったとしても、私の
自分の魔法によっぽど自信があるのか得意げに言い切るアピスちゃん
しかし次の瞬間、床下からカサカサッと何かが這い回るような音がして『きゃっ!?』とビックリして飛び上がるのでした
『大丈夫さ…きっとネズミか何かだよ 僕が見てくる!』
エルマはそう言い、地下室を調べにいきました
ゆっくり梯子を降りていく彼を『気をつけて…』と不安そうな表情で見守るアピスちゃん…
突如、温かくてヌルヌルした触手に足の裏を撫でられて足がベタベタになるエルマくん
驚いて下を見るとなんと植物系の魔物「マンドレイク」が、ネバネバした触手をウニョウニョさせながら暗闇に鎮座しておりました。ヘビや触手といった類のニョロニョロしたものが苦手なアピスちゃんは大慌て!
『なな…なんでこんなヤツが私の家にいるのよ~!
はやく退治してぇー!!』
子供が大好物なマンドレイクはアピスたちの匂いに誘われたのかもしれません
特に革ブーツを長時間履いていたエルマくんは足の匂いが香ばしいせいか、執拗なまでに狙われています
『アピスは隠れてて…あいつは僕が何とかする!』
温厚な性格で、本来は争いごとが嫌いなエルマくんですが、
アピスを守るために戦う事を決め、炎の魔法「フランメ系」と父親仕込みの流麗な槍術で見事マンドレイクの撃退に成功しました
『ゴメンね…
もうここへ来ちゃダメだよ……』
しかたなかったとは言えマンドレイクを傷つけた事に心を痛めるエルマくん…
梯子を登って上へ戻った彼は、怖がりすぎて床でコロリと気絶したアピスちゃんを見つけ、リトアの隣に優しく寝かせてあげました
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