トートちゃんの家のお泊まり会!


クラリスといえでデートなの♪

シェロアイランドの学園に通うクラリスは放課後、講義が終わって教室を出ようとした時
同級生の女の子トート・ヤンソンが走って近づいてきて『ねぇクラリス!今日ヒマ?』ときいてきました

『暇だけど。それがどうしたの?』
『あ、あのねっ…!』

トートちゃんはゴム長靴を履いた足で照れくさそうに地面をこすった後、
『あのね、あたしについてきてほしいのっ♪』と言って走りだし、クラリス君は慌てて彼女を追いかける事にしました

『ぜぇ…ぜぇっ…!待ってくれよトート
いったいどこ行くのさ…!』

デコボコした雪道を『こっちこっちぃ♪』と元気に走っていくトートちゃん
目的地も告げずにどこまでも進んでいく彼女をひたすら追いかけて、クラリス君は靴の中が雪だらけでグッショリです

走った末、クラリス君はトートちゃんの家に着きました

『パパ!ママっ!お友達をつれてきたのっ♪』


トートちゃんの両親の「ヤンソン夫妻」です
クラリス君は汗でずれた眼鏡を直しながら『あ、こんにちは…』と挨拶しました

『クラリス、あのねパパとママがね
前にあたしを家に泊めてくれたお礼がしたいってさ♪』

夫妻は以前、結婚記念日にクラリスが娘を泊めてくれたお礼にご馳走したくて彼を家に招待したのだそうです。

父親のホッドは病院長で、母親のミシェルは娘と同じくチルシアンで教会の修道女をしており、
たった一人の愛娘であるトートちゃんの事をとても大切にしているようでした

『どうぞ家に上がってください♪
娘も喜びますし、今日はうちに泊まってって構いませんからね』

ミシェルさんに優しい声で言われ、クラリス君は顔が赤くなりました
予想外の展開で戸惑っているとトートちゃんが『ねぇはやく♪』と手をつかんできて、強引に家の中へ連れていきました

『(トートのママってすごく美人で優しそうな人だな…
パパは病院長をしている立派な人だし、三人とも幸せそうで何て暖かい家族なんだろう…)』

愛情たっぷりの家庭で育ったトートちゃんを見て、クラリス君はちょっぴり羨ましくなりました

子供の前でも構わずイチャイチャするバカップル夫婦
クラリス君とトートちゃんはお行儀よく座ったまま、その光景をただじっと見ておりました

『あのさ…トートの親っていつもあんな感じなの?』
『うん。いつもああなの♪』

ラブラブな家族とテーブルを囲んでご飯を食べた後、クラリス君はトートちゃんの部屋で寝泊りする事になりました



『みてクラリス!流れ星なのっ♪』

ベッドでくつろいでいると夜空を一筋の光が通り過ぎたのを見てトートちゃんは大はしゃぎ

『ねぇ知ってる?流れ星を一緒に見た男女は将来結ばれる運命なんだってさ♪
もしかしたら、あたしとクラリスはケッコンするのかも!』

『はは…まさか。そんなの迷信…』

トートちゃんは『あたし、クラリスのお嫁さんになってあげてもいいの♪』と無邪気にじゃれついてくるので、
クラリス君はくすぐったくてしかたがありません。

『ひぇぇ~、なんでこうなるのさ~…』

あのラブラブパワー全開な「ヤンソン夫妻」に影響されてか、トートちゃんは一晩中クラリス君にべったり甘えまくりでした
二人は部屋で遊んだ後、仲良くお風呂に入って一緒のベッドで寝たそうです。

–本好きの少年クラリス(6)のコメント–

今日さ、トートの家に遊びにいったんだ
彼女の親には初めて会ったけど、お互いラブラブですごく感じが良い夫婦だったんだよ
結婚記念日にトートが僕の家に泊まった時のお礼がしたかったんだってさ。
ホッドさんもミシェルさんも、トートがイヤがる事はやらせないで、
彼女の音楽家になりたいって夢も応援してるみたい。娘を本当に大切に想ってるんだって伝わってきたな
愛に溢れた幸せな家族って本当にあるんだなぁ…
僕、彼女が羨ましいと思っちゃった

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