星母樹に導かれるサヤカ


星母樹せいぼじゅにとどいた少女しょうじょねが

星母樹に最も近い桜の町ソメイでは年に一度やってくる「星祭りの夜」で樹に祈ると、どんな願い事も叶うと言い伝えられています。それを信じた7歳のサヤカちゃんはお祭の夜、走って神社へ行き一人で祈りを捧げるのでした……

『星母樹さま…あたしね、ずっと家族がほしいの』

サヤカの目から涙が流れ星のようにこぼれ落ちると、
持っていた「星母樹のお守り」が突然光り、彼女の手を離れてゆらゆらと宙に浮かんでいきました

『この光…
とってもあたたかい…』

サヤカはじっと佇んてその現象を不思議そうに見つめます。
お守りは光を帯びながら、しばらく彼女の周囲を漂っていましたが、やがて何かに呼び寄せられるように飛び去ってしまいました

『待って…どこいくの!?』
サヤカは神社の縁側に置いていた自分のバッグをあわてて拾い、飛んでいったお守りを走って追いかけます。

『ハァハァ…っ
もう~、勝手に飛んでいったらダメ!』

走った末、ソメイから遠く離れた「小さな池」のほとりでやっとお守りを捕まえたサヤカちゃん
お守りが逃げないようしっかりバッグの中へしまい家へ帰ろうとする彼女でしたが、ふと池を見ると何か光っているのに気付きます

『池が光ってる…何だろ?行ってみよう』



ちゃぷ、ちゃぷ…と足元を濡らしながら池の中を歩き、光ってる方へ近づいていくサヤカちゃん
それは光を包まれて安らかに眠りこける幼子(リトア)だったのでした

『この子…カワイイ!!』

サヤカは偶然見つけたその不思議な幼子をぎゅっと抱きしめ、自分の家につれて帰る事にしました

幼子リトアを優しく見つめる妖精の少女サヤカ

この子、どこからきたのかな━
名前なんていうのかな━
お友達になれるかな━

サヤカちゃんはスニーカーを脱いで裸足になり、ベッドに寝転がりながら
「素敵な予感」に目をキラキラ輝かせてその幼子の寝顔をただじっと見つめておりました

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