
炎に包まれたクオンの街で仲間と避難している途中、
サニアちゃんは宿屋で出会った魔術師の少年ジョバンニが水の魔法を使って火を消しているのを見かけました
『キミたち、無事だったのか~!
いやぁ~ひっどいコトになったね…塔の上で花火を見てたらさ、いきなり「火炎魔法」を放ったヤツがいてさ!
姿はよく見えなかったけどホント許せないっ!』
いつも明るく笑っていた彼が本気で怒っているのをみて
放火犯がもしかすると自分の姉かもしれないと思っていたサニアちゃんは心苦しくなりました
『ねー、サニアも火けすの手伝うよ!』
サニアちゃんはばさばさっ!と翼を広げて空を舞い、片方の足を伸ばして『足につかまって!』と誘いました
『驚いたな!ドラゴンの子供だったなんて…
でも、キミの意図は伝わったさ。”ボクたち二人の力”を合わせればイケるかもねっ♪』
ジョバンニ君は上空から水の魔法を使い、サニアちゃんと二人で街の火を消して回りました
『もっとはやく飛ぶから!!
サニアの足にしっかりつかまって!!』
火球の嵐の中をサニアちゃんは猛スピードで飛行し、
彼女とともに炎に突っ込んだジョバンニ君はこんがり焼かれてアッチッチ!と喘ぎます
『熱っちぃ~~!!
こりゃ滅多に味わえないレアな体験だ!いや、ウェルダンな体験っていうのかなっ♪』
火に焼かれて黒コゲになってもなおジョバンニ君は陽気に笑って楽しそうです
一方サニアちゃんは一生懸命飛び回っていたせいか、体中汗をびっしょりかいていて何だか苦しそうでした…
『(サニア、がんばる…!)』
身体が小さいのに男の子一人を運んで飛んだ事による負荷でサニアちゃんは足を痛めておりました。それでも、街を救いたい気持ちと「犯人は姉かも」という罪悪感で激痛に耐えながら飛び続けていたのです。彼女が怪我しているのに気付いたジョバンニ君はこれ以上無理させたくなくて、いったん降ろしてもらいました
『やばっ!骨折してんじゃん…めっちゃ痛そ~
後はボクがやるからさ、キミは早くミヤビの所へ行って足を治してもらいな』
サニアちゃんは納得いかなそうですが、ジョバンニ君の
『ミヤビのこと”護って”あげなっ♪』という一言でやる気になったのか、凄い速さですっ飛んでいきました
『このチビ…なんて回復力してやがる!』
戻ってきて治癒魔法を受けたサニアちゃんは元々再生力が強いせいもあり、折れた骨がみるみる内に癒えました
その治りの速さにライとミヤビの二人は驚きます
『えへへ♪サニアはとくべつな子だから
ケガしてもすぐ治るってこの前いったでしょ~!』
再生力が高いのを自慢するサニアちゃんをみて、ミヤビちゃんは浮かない顔をします
小さな彼女がこの高い再生力のせいでこれまでどんな目に遭ってきたのか、何となく想像できたからです
『あのね、体の傷は治っても心は……』
ミヤビちゃんは何か伝えようとしていましたが、サニアちゃんの後ろに現れた”恐ろしい影”を見て言葉が途切れました。
『探したぞサニア…
ずいぶんと祭を楽しんだようだな』
背後から”聞き覚えのある声”がし、サニアちゃんは緊張して汗がどっと噴きだします
『おねえ…ちゃ……』
恐る恐るうしろを振り返るとそこには赤黒いマントを着た女が立っており、その姿を見て過去のトラウマが蘇ったのかサニアちゃんは体中滝のように汗をかいて、息が荒くなり、ついには吐いてしまいます…
ミヤビちゃんは吐しゃ物だらけになった彼女をみて『大丈夫!?』と心配しました
『街に火を放ったのはテメーだな
殺気がビリビリくるぜ。一体なにもんだ?』
その女が「只者じゃない」と気づいたライは警戒し、何者かと問いました
『私はソニア。そこにいる家出した妹を追ってきたのだ
貴様たちに危害を加える気は無い…ただし、私の邪魔をするなら話は別だがな』
サニアの姉だと名乗ったソニアは、自分はただ妹を連れ戻しにきただけだと主張しました
妹さえ手に入ればここからすぐに立ち去ると。しかし…
『ヤダ!おうちに帰りたくないよ…
もし帰ったら……』
サニアちゃんの普通でない怖がり方をみた二人は、とても素直に渡す気になれませんでした。
『かかってこいよ、乳デカ女!!』
街を炎で包み込んだ上にサニアちゃんを無理やり連れて帰ろうとするソニアの悪辣極まる行為にライは激しく怒り、決闘を挑みます。ソニアはそれに応じるように右目の眼帯を外し、臨戦態勢をとりました
『身の程知らずめ…貴様など、片手で屠ってくれるわ』
『上等だァア!!』
ライは得意の拳法でソニアと闘いますが、彼の拳はことごとく見切られて一発も当たりません
『…立ち回りが雑すぎる。図体のデカさに物を言わせた単調な攻撃一辺倒では、下級魔物しか倒せんぞ
防御もあまりにお粗末で隙だらけだ。』
ライの渾身のパンチをソニアは余裕でかわし、右手で彼の拳を掴んで物凄い力で腕の骨をへし折りました
『ぐおおァア!!』骨折して激痛にのたうち回るライにソニアは容赦なく追撃を加え、一瞬のうちに彼を蹴散らしてボロ雑巾のような無惨な姿へと変えました
『そんな…サニアのせいで……』
ライを片手だけで倒したソニアは妹が激しく動揺しているのをみて、さらに言葉で揺さぶりました
『分かったかサニア…
この私から離れる事などできはしない…お前が逃げようとすればする程に友が傷付き、倒れる事になるぞ。
全ては勝手に家を飛び出したお前が招いた事なのだ。』
『お姉ちゃんなんか、だいっきらい!』
ライが自分を守ろうとして倒されたのを目の当たりにしたサニアちゃんは、さっきまで怯えていたのが激しい怒りへと変わり、自分が大切にしている人たちをみんな傷付けようとする姉と戦う覚悟を決めたのでした
『ほう。私と戦うというのか?
では見せてもらうぞ、お前がどれだけ強くなったかを』
ソニアは「これは妹の成長を見る機会」と考え、竜の姉妹は互いに激しくぶつかり合いました。

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