
サニア、
クオンの旅館に宿泊したサニアちゃんは、ミヤビちゃんと座敷食堂にいって一緒に晩ごはんをいただきました
『サニア、おニクだぁ~いすき♪』
サニアちゃんがお肉ばっかり食べるのをみてミヤビちゃんは彼女にちょっとずつ野菜も食べさせてあげました
その様子はさながら仲の良い「姉と妹」のようです
おなかいっぱいになったサニアちゃんはこんどは旅館の中を探検したくなりました
『ちょっといってくるー!』と元気に食堂を飛び出し、スリッパも履かずに裸足でぺたぺたと廊下を無邪気に走り回るサニアちゃん。そんなとき、彼女は一風変わった遊びをしている少年に出逢いました。
その少年は玉に乗りながら、空中でピンを器用に回していました
『おもしろーい!サニアもあれやりたいな』
サニアちゃんは見ているうちになんだか楽しくなり、自分もやってみたくなりました
その小さな視線に少年も気づいたようです。
『これは大道芸っていうのさ♪キミもやってみる?』
『うん!やりたいー♪』
サニアちゃんは少年のマネして玉乗りをしますが、上手くバランスがとれず転んでしまいました。
『イ…イタイ~!こんなのムリーっ!!』と言う彼女に少年は『最初はそうさ♪練習練習!』とお手本を見せてあげました。
少年はジョバンニと名乗り、旅をしながら自分の芸を披露していると自己紹介しました。
サニアちゃんは彼に芸を教わるのが楽しくて何度も何度もチャレンジします。ジョバンニ君の方も幼くて元気いっぱいな彼女と遊ぶのは楽しいらしくて、二人はあっという間に仲良くなりました。
『ふー…いいアセかいた。そろそろお開きにしようか
またどこかで会えるといいね♪』
しばらく遊んでジョバンニ君は満足したのか、革靴からスリッパに履き替えて廊下を歩いていきました。
サニアちゃんは彼が去っていくのをみて寂しくなり、走って後を追いかけました。
『どうしたのさ?ボクにまだなんか用?』
『・・・・・』
ジョバンニ君の袖をグイグイ引っ張るサニアちゃん
その顔はお別れなんてイヤ、もっと一緒に遊びたい!と言っているかのようでした
『ボクと遊びたいの?かまわないよ、ヒマだし』
サニアちゃんにすっかり懐かれ、ジョバンニ君は彼女が寝泊りしている部屋にいって一緒に遊んであげる事にしました。
部屋にいたミヤビちゃんにジョバンニ君は『ボンソワール!』と陽気に挨拶しました
『この子がさ、ボクと遊びたいんだってさ♪
そんなわけだから悪いけど、しばらく部屋にお邪魔させてもらうよ。』
『え…うん…』
どうやら二人は知り合い同士のようです
サニアちゃんは思わず『ふたりってさー。どんなカンケー?』ときいてみました。
ジョバンニ君はいたずらっぽく笑いながら『べっつにぃ、ボクと彼女は前に一緒に旅した事があるってだけさァ~♪』とはぐらかし、ミヤビちゃんもそれ以上は何も言いませんでした。
『それよりさ!芸の続き、やろうぜ。
次はボクの一番得意なやつを教えてあげるからさ♪』
ジョバンニ君はそう言い、サニアちゃんに「ジャグリング」を教えてあげる事にしました
『ボクの一番の得意芸さ!』
ポン、ポン、とリズムに乗りながらボールをお手玉するジョバンニ君。
サニアちゃんは彼の隣でマネしてみますが、やっぱり最初は上手くできなくて頭にボールをぶつけてしまいます。
『うぅ~…イタイ~!ボールあたったぁ…』
『いきなりそんなたくさんは無理さ。まずはボール3個からやってみようか♪』
ジョバンニ君にやり方を教わってサニアちゃんは練習に夢中になります。
何度も頭にボールをぶつけて痛い思いをしながらも、彼女は諦めずに練習を続けてとうとうボールを5つ回せるぐらいになりました。その上達っぷりにジョバンニ君もびっくりです。
『スゴイじゃん!もう覚えちゃったんだ
ボクはできるようになるまで、もっと時間かかったんだけどな。』
『えへへー!サニア、おぼえた~!』と大喜びのサニアちゃん
その無邪気な姿にジョバンニ君は芸を覚えたばかりの小さい頃の自分を思い出し、ちょっぴり嬉しくなりました。

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