
サニアちゃんの
ジョバンニ君が去った後、サニアちゃんは部屋でミヤビやライに遊んでもらってキャッキャとはしゃいでいました
『このチビガキィ~!お仕置きしてやんぜ!』
『やぁあ~!くすぐったいーっ!!』
イタズラばっかりするサニアちゃんをライはお仕置きだと言ってくすぐります
敏感な足の裏をこちょこちょされてジタバタしつつも、サニアちゃんは遊んでくれる人がいてくれて楽しそうでした
しかし、ミヤビちゃんが『ねぇ!そろそろお風呂入ろうよ!』と言うとサニアちゃんは『ヤダヤダぁ~!』とふくれっ面になります。彼女は「濡れたら炎が出せなくて戦えない」のが嫌で普段からあまりお風呂に入らないのだそうです。
『お姉ちゃんたちがね、サニアのからだをタオルでゴシゴシしてキレイにしてくれるの。
いつでも戦えるようにしておけってさ!』
お姉ちゃんは強くてカッコイイんだよと自慢げに話すサニアちゃん
ミヤビちゃんは彼女に「ここは安全だから戦わなくていいんだよ」と優しく言い聞かせました
『じゃあさー!ミヤビといっしょならはいる~!』とサニアちゃんは言い、二人は一緒にお風呂に入る事にしました
『ジョバンニとミヤビってさー!つきあってるの?』
入浴中、サニアちゃんがいきなりジョバンニ君の事を聞いてきてミヤビちゃんは顔真っ赤になります
『そ…そんなんじゃないよ~っ!!
さっきも言ったけどジョバンニさんとは前に一緒に旅した事があって…』
『だったらさー、そのときの話きかせてよ!』
サニアちゃんがどうしても聞きたいとねだるので、ミヤビちゃんはジョバンニ君と初めて出逢った時の話をしてあげました
巫女見習いの修行の旅をしていたミヤビちゃんは、ある時ジメジメした沼地に迷い込んでしまいました
『靴がびっしょり…
それにこの場所、なんだか怖いよ…』
ミヤビちゃんは何だか悪い予感がして早くこの場から立ち去ろうとしますが、歩けば歩くほど湿地帯の奥へと入り込んでしまいます。足元をびちゃびちゃにしながら水の中を歩いていると、彼女は不気味なヒトダマの群れに遭遇しました
『いやぁぁ!あっちいってよ~!』
ヒトダマの大群に追いかけられるミヤビちゃん
必死に走って逃げようとしますが、すぐにヒトダマ達に囲まれて絶体絶命のピンチに陥ります
「もうダメ」と思った時…トンガリ帽子をかぶった魔法使いの少年ジョバンニが彼女を守ろうと飛び出してきました
『はやく!ボクのそばにくるんだっ!!』
『う…うんっ!』
ジョバンニ君が魔法の力でヒトダマたちを撃退し、ミヤビちゃんは難を逃れる事ができました
『あ…あの…助けてくれてありがとう…
何てお礼をいったらいいか…』
自分のピンチを救った彼にミヤビちゃんはぺこりとお礼を言います
ジョバンニ君は『お礼なんていいさ♪』と陽気に笑い、二人はお互いに自己紹介しました
『それにしても、あっぶなかったねぇ~
この湿地帯はエルモスたちの縄張りだから、戦える力が無いなら一人でこない方がいいよ。
ボクが旅の途中でたまたま通らなかったらキミは今頃まっ黒こげさ?』
『だって道わかんなかったから…』とミヤビちゃんは泣きそうになります
ジョバンニ君は彼女が迷子だと分かると『じゃあボクについておいで♪』と言い、彼女を近くの街まで送ってあげたそうです。
…
『それからね、あたしとジョバンニさんは一緒に旅する事になったんだ
ホント言うとひとりで旅するのは寂しくて心細かったし、彼に出会えてよかったなぁって思うの』
ジョバンニ君と旅した話を楽しそうに語るミヤビちゃん
彼女の波乱万丈な物語をサニアちゃんは夢中になりながら聞いておりました
『(サニアも、みんなと旅がしたいなー
すっごく楽しそう……)』
お湯にぷかぷか浸かりながら、サニアちゃんはそんな夢を思い描いていました
『ガオ~ッ!』
『ぐふっ…このチビ、どんな寝相してやがる!』
サニアちゃんがお部屋でぐっすり眠っていた頃…
“翼を持った冷酷な狩猟者”がクオンの街に迫りつつありました…

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