はじめて
まだ二人が出逢ってまもない頃…小さなドラゴンの少女サニアちゃんは
はじめて友達ができたのが嬉しくて有頂天になり、頭の中はいつもいつもアルフ君の事ばっかり考えています。
『またアルフとあいたいなー…そうだ
お姉ちゃんにナイショで、遊びにいーこーっと♪』
バレたら痛いお仕置きが待っているのに、サニアちゃんはアルフ君に会いに砂漠へ出かけました。
『ボクもサニアみたいに空が飛べたらなぁ…』
『だったらさー、サニアの足つかんでアルフもいっしょに飛ぼっ♪』
「空を飛びたい」というアルフ君の願いを叶えてあげるために、サニアちゃんは彼を空へ運んであげました。
サニアの足に掴まりながら広い砂漠の空を飛び回ってアルフ君は嬉しくて大はしゃぎ。
幼い二人は汗をたっぷりかいて遊ぶのに夢中になり、気がつくとすっかり日が暮れておなかがペコペコでした。
『うぅ…アルフー。サニアはおなかすいたぁっ！』
『じゃあさ、タマラおにいちゃんのおうちへいってなにか食べようよ！』
飛び疲れてヘトヘトになったサニアちゃんのためにアルフ君は、
砂漠で農家を営んでいるタマラ少年の家へ彼女をつれていってあげる事にしました。
アルフ君に声をかけられて『ハーイ♪』と手を振るタマラ君
『アルフ！その女の子は誰ですかぁ？』
『サニアだよ、火山にすんでるドラゴンの子供さ』
サニアちゃんは最初タマラ君を怖がっていましたが、
彼が心優しい少年だとわかると安心し、靴を脱いで家にお邪魔する事にしました。
タマラ君の部屋に上がり込んでサツマイモの冷製スープをいただく二人
『アルフー。どうやってたべるの？』
『こうやってさ、スプーンですくってお口にいれるんだよ！』
サニアちゃんはスプーンやお茶碗を使った事がなくて、アルフ君のマネをしておそるおそるスープを口にしました
それは驚くほど甘くて、サニアちゃんは『サニアもっとほしー！』とおねだりします。
『あらあら、気に入っちゃったんですね
サツマイモならたっくさんあるので、いくらでも召し上がって下さ～い』
最初はタマラ君を怖がっていたサニアちゃんでしたが、美味しいスープをたんまり飲ませてもらったおかげですっかり上機嫌になり、にこにこ笑いながら彼に『ありがとー♪』とお礼を言いました。
砂漠の一日を満喫したサニアちゃんはアルフ君とまた遊ぶ約束をして、空の彼方に飛んで行ったのでした。
サニアちゃん(5)のコメント
おもかったけどひとりで飛ぶよりずっとずっとたのしかった♪
甘くてビックリー！サニアはいつもおニクしかたべないけど、砂族のひとたちはあんなのたべるんだね
『クンクン…なんだこの匂いは？』って……。
カジャがサニアのクツをぬがせて匂いをお姉ちゃんにかがせて、ごまかしてくれたおかげでたすかったんだよ『やっぱお嬢の靴はくっせー！』だってさ！！シツレイしちゃう！！
こんど砂漠にいったら、ちゃんと匂いもけそうーっと！
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