ドラゴンの
竜の女王の血を引く5歳の少女サニアはその生まれと能力のせいで周りから畏れられ、一人ぼっちで毎日寂しい思いをしていました。そんなとき砂漠からきた少年に出逢った彼女は、外へ出て友達と遊ぶ楽しさをはじめて知ったのでした
しかし、それは「一族の掟」に背いた決して許されざる行いだったのです……
『うぅっ…痛い…
ウデが折れちゃった…!』
掟を破ったせいで女王ルティアの逆鱗に触れ、骨折した腕を手当てしてもらえないまま地下深くの牢獄に放り込まれたサニアは、激痛に苛まれながら砂族の少年「アルフ」と過ごした楽しい日々を思い出します……
『ヤッホー♪遊びにきたよー!』
こっそり火山から抜け出して、はるばる砂漠の向こうにあるオアシスの村まで長距離飛行してきたサニアちゃん。
玄関ではなく窓から入ってきた彼女にアルフくんはびっくりしていました
『ドアから入らないと、じいちゃんに怒られるよ~!』
『えへへ!サニアはこっちの方が好きー♪』
くつを脱いで手に持ち、裸足で窓の上に乗っかって嬉しそうにはしゃぐサニアちゃんを見てアルフくんも思わず楽しそうに笑います。『遊びにいこ!』『うん♪』元気に飛び出した二人は砂漠へ行き、かけっこして遊ぶ事にしました
日が暮れるまで砂漠で駆け回って汗をたっぷりかいた後、
サニアちゃんはアルフくんといっしょに砂丘の向こうに沈みゆく夕日を見ました
『うわあ、キレイ…!』
それは思わず声が出るほど美しい景色でした
サニアの住む火山はマグマが流れていて明るいですが、噴煙のせいで空が黒く覆われて夕日を見た事が無かったそうです。
『ぼくたち、これからもずっと友達でいよう!約束だよ!』
『うん…約束♪』
たっぷり遊んで満足した二人は小さな手をきゅっと握り合い、明日の再会を約束して家に帰っていきました。
–傷ついた竜の少女サニア(5)–
ソニアお姉ちゃんに『遊び相手ほしいし!』って言ったらほっぺを思いっきり叩かれたし…
あんな気持ちになったのはじめて…青い空も、とげとげした草も、夕焼けも…初めてみるモノがいっぱい!
火山のマグマの匂いも大好きだけど砂漠も好きになっちゃった……
サニアがこんど砂漠に行ったら「アルフの命はないぞ」ってさ!!
なんで?どうして砂族を嫌うの!?
お姉ちゃんもオババもだいっきらい!!
コメントを残す