
空の国を目指して仲間と旅立ったサニアは、次の街へ向かう途中にある森の中を進んでいました
『スピカシティってどんなとこなのかな?
はやくいってみたい~♪』
上機嫌そうにスキップしながら進むサニアちゃん
都会が初めてな彼女は嬉しくて大はりきりで、ミヤビとライは元気いっぱいな彼女を追いかけるのでやっとです
『ゲッ!霧が出てきやがった
おいチビガキども、足元に気ぃつけろよ!』
しばらく進んでいると周囲に「白い霧」が出てきました
ライは二人に注意するよう言いますが、サニアちゃんはそんな事お構いなしにドンドン先へ進んでいきます。
『ふたりとも何やってんの~!
はやくはやく~♪』
サニアちゃんは霧など気にせず、真っ白な中を楽しそうに走っていきます。ミヤビちゃんは『転んじゃうよ~!』と呼びかけますが、彼女は『ぜんぜんへーきだよっ♪』と全く聞こうとしません
そんな時、サニアは足元にあった何かを踏んづけて派手に転びました。
『イ…イタイ~ッ!!』
ミヤビとライは「言わんこっちゃない」と駆け寄ります。サニアちゃんは顔から地面に突っ込んだせいで鼻血が出て痛そうでしたが、大した怪我じゃないからとニコニコしながら『これぐらいへーき!』と笑いました
『ったく!毎度毎度、傷の絶えねぇガキだぜ
帽子で滑ってすっ転ぶとはよ』
それは誰かが落としていった帽子でした
サニアちゃんはそれを拾い、匂いをクンクン嗅いで落とし主の居場所を探ってみました
『あっちにいるみたいだよ?
サニア、ちょっと行って渡してくる~!』
犬並みの鋭い嗅覚でサニアちゃんは帽子の落とし主がいる所を探し当て、そちらへ走っていきました
彼女はそこでとんでもない光景を目にします
なんと”一人の少女”が怪しいマントを着た男達に囲まれ、攻撃魔法を受けていたのです
『あんたたち何やってんの!
弱いものイジメしたら、だめー!!』
サニアは「炎の翼」を広げ、集団の内の一人の顔面に強烈なキックをお見舞いしてやりました。
サニアちゃんに蹴っ飛ばされ、ピエロのような服を着た男はフラフラとよろめきました
『蹴ったな…俺の顔を蹴りやがったな!オヤジにも殴られた事が無ぇこのジャンゴ様の顔を!
この地上人のメスガキがぁーーッ!!』
「ジャンゴ」と名乗ったその男は逆上したのか懐から大量の爆弾を取り出して投げまくり、
爆弾が次々とサニアに命中して爆発しました
『ヒーハハハ!見たか、オレのダイナマイトで
あのクソガキを跡形もなくぶっ飛ばしてやったぜ!!』
相手は小さな女の子なのに狂ったように爆弾を浴びせ続ける彼の異常行動をみて周囲の男達は『おい、やり過ぎだ!』と制止します。やがて爆発が収まると、煙の中からサニアちゃんがススだらけの姿で出てきました。
『こんなの…お姉ちゃんやカジャの
こうげきとくらべたら、ぜんっぜん大したコトないし!!』
サニアは「大した事ない」と強がりますが、やはり相当なダメージを受けたのかフラフラと倒れそうです。あれだけ爆風を浴びたはずの彼女がまだ立ってるのを見てジャンゴは『ウゲッ!』と鼻水垂らしながら狼狽えました
そこへ爆音を聞きつけたライとミヤビがやってきて、怪我を負ったサニアちゃんを見つけます
『サニア!大丈夫!?』
『うん…サニアはへーき。でもあっちのコがさ…!』
ミヤビちゃんに《回復魔法》をかけてもらいながら、サニアちゃんは向こうで倒れている”見知らぬ少女”を指さしました。少女は爆発に巻き込まれたのかあちこち火傷していて気を失っているようでした…
『このクソ野郎共、よくも俺様の可愛い妹分を痛めつけてくれやがったな!
たっぷりお礼してやんぜ!!』
ライが拳をボキボキ鳴らしてジャンゴらを睨みつけると、彼らはその迫力に気圧されたのか『この地上人共ヤバいぜ…一時撤収だ!』と喚きながら一斉に逃亡しました
『ケッ!おととい来やがれ、腰抜け共が!!』
敵が逃げ去った後、サニアちゃんたちは気絶している少女を介抱してあげました。少女は傷を癒してもらい、目が覚めると小さな声で『ありがとう…』とみんなにお礼を言いました。
『私の名前はアピス…
空にある《フリューゲル》という国に住んでいるの…』
その少女「アピス」は疲れているのか弱々しい声で自己紹介しました
彼女が空からきたと知って三人はビックリです
『アピスって空からきたの?
サニアたちもさ、そっちにいくとこなの!』
アピスは目を大きく開いて意外そうな顔をしました
『…驚いた。フリューゲルに行こうとしてるの?
あそこは大変な事になっているのよ。クラウディア王女が女帝に即位してから全部がおかしくなって…
私、もう少しで処刑されそうになる所だったの……』
アピスちゃんは突然怯えた表情になり、これ以上何も話したくなさそうな雰囲気でした。ミヤビちゃんは彼女がとても怖い思いをしたのだろうと察して「無理して話さなくてもいいよ」と気遣ってあげました
『私そろそろ行かなきゃ…妖精の女王にこの事を伝えにクオンの都に向かわないといけないから。さっきは助けてくれてありがとう…でも、私にはあまり関わらない方がいいと思う…』
いきなり妖精の女王の名前が出てきたのでミヤビは思わず『え?』と反応し、アピスも釣られて『えっ?』と返しました
『妖精の女王はあたしのお姉ちゃんよ
もしかして、ミツキお姉ちゃんに会いにいく所なの?』
『あたしがテレパシーを使って、
ミツキお姉ちゃんとお話させてあげる!』
ミヤビが「女王の妹」だと知ってアピスは驚きます
しかもテレパシーが使えると聞き、それなら今ここで女王と話をさせてほしいと言って頭をぺこりと下げて頼んできました
そんな時です…
アピスのおなかがグゥ~と鳴り、彼女は恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めました
『ごめんなさい…
私、昨日から何も食べてなくて…』
ずっと敵から逃げ回ってたせいで彼女はおなかペコペコで今にも倒れそうな様子です。それを見たサニアちゃんはシュバッと前に出て『だったらさ!サニアたちとごはん食べようよ!』と誘いました
『おう、そいつは良いアイデアだな!
丁度さっき見晴らしの良い丘があったしな。戻って昼メシとしゃれこもうぜ!』
ライはガハハと笑いながらアピスの身体を持ち上げ、抵抗する彼女を脇に抱えてそのまま運んでいきました
『(あ~っ!こんな事してる場合じゃないのに…)』
まるで小動物のように扱われている事に戸惑いながらも
アピスちゃんはこの親切だけどお節介な「地上人たち」にとりあえずついていく事にしました。

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