
オバケ
真夏のじめっとした暑さの中、小学生のロミちゃんは学校に行く途中の通学路で友達のかれんちゃんに会い、
ふたりでお喋りしながら校舎へ向かう事にしました
『でさー!りっくんの部屋があまりにも汚かったから、
わたしが掃除を手伝ったの~!』
ロミちゃんがボーイフレンドのリクヤ君の話を始めると、かれんちゃんはドキッとします
『(またリクヤくんの話してる…
ロミちゃんは毎日あの子と一緒だからいいなぁ…私だってリクヤくんが好きなのに…ずるい…!)』
彼女が嫉妬心を抱いているのにロミちゃんは全然気づいてなくてニコニコ嬉しそうに笑っています。やがて校舎についた二人は下駄箱で外靴から上履きに履き替えていると、リクヤ君が全速ダッシュで登校してきました。
『おっはよー♪ねえ、いっしょに教室いこ!』
『え!?ちょっと待ってよ~!』
リクヤ君はいきなりロミちゃんの手を引っ張り、ふたりで元気に教室へ走っていきました
『(ロミちゃんばっかりずるい…ずるい…!)』
大好きな男の子になかなか話しかけられず悔しい思いをするかれんちゃん…
一人残された彼女はシクシク涙を浮かべ、ハンカチを噛みしめながら去っていく二人を見送ったのでした。
『ねぇリクヤ、知ってる…?
この学校には幽霊がとりついてるトイレがあるんだ…
そのトイレにずっといると、足がまるで氷みたいに冷たくなるんだって……』
お昼休みにリクヤ君が怪談好きのナオト君と「怖い話」をしているのをロミちゃんは偶然きいてしまいました
『オ…オバケなんているわけないんだから!』と一生懸命強がりますが、顔は真っ青で、体中汗びっしょりになって慌てふためく姿に男子たちは彼女が本当は怖がっているのだとお見通しでした
『じゃあさ、放課後にそのトイレいってみる?』
『い…いいわよ!』
男子たちにすっかり言いくるめられたロミちゃん…
放課後、彼女はリクヤ君とナオト君と三人で”例のトイレ”を調べに行く事になりました。
『結構さ、フツーの男子トイレだね』
『どこがよ?きったなぁ~い!』
そのトイレはあまり使われずに放置されているのかガラスが割れ、床が汚い上にあちこち水漏れしており、
立ち込める汚水の臭いに嗅覚の鋭いロミちゃんは臭くてたまらず鼻をつまみます。
『うぅ~…くっさぁ~い…!
やっぱりオバケなんてどこにもいないじゃない、こんな所さっさと出ましょうよ。』
そんな時リクヤ君がいきなり怖い事を言い出します
『ねえ!今、鏡に何かうつらなかった?』
ロミちゃんはドキッとして『き…きっとみまちがいよ』と必死に冷静を装いますが、本当は今すぐ家に帰りたいと顔に書いています。怖いのを隠そうとする彼女を見てナオト君は遠くでいひひと笑っていました
『(ロミちゃんの怖がってる所、カワイイなぁ~…もっと怖がらせてあげるよ…)』
その直後…
リクヤ君とロミちゃんは足に冷たい感触がし、床を見るとビックリして大声で叫びました。
いつの間にかトイレの床に水が溢れて、リクヤ君とロミちゃんは足元がビショ濡れです
あたふたする二人を見てナオト君は大笑いしました
『おどろかせちゃってゴメンね…この男子トイレ……
じつは水道管が壊れてて…こうして蛇口をひねると床から水が溢れだすしくみになってるんだ…』
どうやらトイレに幽霊が取り憑いているという話はぜんぶ嘘で、ナオト君が二人を怖がらせるために考えたイタズラだったようです。真相が分かって、リクヤ君はなぁーんだとすぐに許してくれました
しかし、ロミちゃんは怖かった分怒りがおさまりません
『イタズラですってぇ…?しんっじられない!!
あなたのせいでわたしの上履きが濡れちゃったじゃない!もうサイッテー!!』
ロミちゃんはプンプン怒って帰ってしまいましたが、彼女の怖がりっぷりが大好きなナオト君は『(いひひ…こんどはどんな風にして怖がらせようかな…)』と懲りずにまたしょーもないイタズラを考え始めたのでした…
リクヤ君(6)のコメント
あーあ、ナオトにすっかりダマされちゃった!ユーレイの話がぜんぶウソとかさ!!
ぼくちょっと期待してたのに…ヘンなイタズラはやめてほしいよね!
だけど…ロミちゃんがあんなに怖がりだなんて、ぼくちっともしらなかったなー
いつもぼくにガミガミ言ってくるくせにさ!自分はビビリとか笑っちゃうよ。これからはロミちゃんがうるさい時は、オバケの話すればオッケーだね♪
あっ!そういえばさ、一つだけきになるコトがあってさ…
鏡にうつってたガイコツもナオトのしわざ?ってきいたら、しらないっていうんだ。
『ガイコツ?何のコト?』
だってさ。
…
あれ?きゅうに寒気が……

コメントを残す