滝の洞窟を通り抜けるため林の奥で水の貴族の少女「マヤ」に会ってきたアピスとエルマ。
最初はツンツンしていたマヤちゃんでしたがエルマ君の説得で最後は折れ、下層へ向かう際には一緒にいくと約束してくれました
しかし、さんざん悪口を言われたアピスちゃんはショックを受けて落ち込んでしまったようです
『「身の程知らずのオンナのコ!」…ですって
何よ…あんなに辛辣な言い方しなくてもいいじゃない…』
すっかりゴキゲンナナメになり、林から帰るとすぐ大鍋に火をつけて気晴らしに魔法薬を煮込みはじめたアピスちゃん
エルマは彼女を元気づけようとしますが今は一人にしてほしいと言われました
『やれやれ、わかったよ。じゃあ僕は上でリトアの面倒を見ておくから』
『ごめんなさい…そうしてくれると助かるわ』
エルマは仕方なく、ハシゴを登って家の中へ入っていきました

『ふぁあぁ~…おはようエルマ
あれ、アピスは?』
起きてすぐ、眠たそうな顔でアピスをさがしてキョロキョロと辺りを見回すリトア
『アピスは下で魔法薬を煮込んでるよ。集中したいから一人にしてほしいんだってさ
ねぇリトア。その間、僕とカードゲームで遊んでみない?』
エルマは木でできた小さな箱を取り出して布団の上にぽんっと置きました
箱の中には、様々なモンスターの絵が描かれた色とりどりのカードがたくさん入っておりました
『これは「ルミナメイスレコード」っていう千年以上昔からある戦略ゲームなんだ
プレイヤーはお互いに魔物のカードと呪文のカードで40枚のデッキをつくって戦うんだよ
僕は火のデッキ、アピスは風が主体の四属性デッキを使うんだ。リトアはとりあえずアピスのデッキを使って遊んでみて!』
リトアはそれらのカードに不思議な魅力を感じたようで、さっそくエルマと遊んでみました

『ふう…すごいねリトア。まるでアピスのように呪文コンボを使いこなしてるじゃないか』
『簡単さ。だってアピスのデッキが使いやすいのさ』
ベッドの上で何度も対戦するうちにエルマはリトアの上達の早さに驚かされていきます
始めたばかりの初心者とは思えない、まるで昔から得意だったかのような手つきとプレイングでした
リトアは嬉しそうに一枚のカードを出して言いました
『ぼくはこのカードが好き。何かアピスによく似ている気がするんだ』
『へえ、どれどれ……』

『「この魔法使いのネコ、可愛らしくて、
いたずらっぽい所がアピスに似てる」だってさ。どう思うアピス?』
エルマから話を聞いたアピスは『どう思うって…』と困った顔をします
『い…いつもイタズラしてるのはあの子の方でしょ!も~、なに言ってんだか
可愛いって言われるのは、悪い気分じゃないけどさっ…』
イタズラ小僧にイタズラっぽいと言われて呆れ気味のアピスちゃん
とはいえ、やっぱりオシャレ好きの女の子なので「可愛らしい」と言われたのはちょっぴり嬉しそうでした
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