港町を目指すリトアとサヤカ


アピスの行方ゆくえって

青の洞窟を抜けたサヤカとリトアは、アピスを取り戻すため「港町カンナギ」を目指して海沿いの山道を進んでいました

『海、見えてきたぁー♪
リトア!ぐずぐずしてたら置いてっちゃうよー♪』

海を見るといっそう元気になり、全速力で走りだすサヤカちゃん
その一生懸命な姿を見て魔導物理学校で聞かされた「地上人」の印象とは違うと感じたリトアは、思い切って彼女に理由を尋ねました

『あのさ…!サヤカは何故そこまで必死に助けてくれるの?
ぼくたち出逢ったばかりなのに……』

サヤカは「なぜって?」と首をかしげて少し悩んだ後、満面の笑みを浮かべて返しました

その顔には嘘がカケラもありません

ビックリするぐらい素直で心優しいサヤカのおかげでリトアの不安は消え、二人は再び目的地「カンナギ」を目指して走るのでした


その頃…奴隷商人に捕まったアピスは、港町のはずれにある「苔むした用水路」に連れてこられました

『おけけけけ…!俺様は運がいいぜ、オメェのような可愛らしいエルフ族のお嬢ちゃんなら
大金払ってでも欲しがるヤツはごまんといるからな!』

自らを「ピサロ」と名乗った奴隷商人の男は非情にも、アピスが抵抗できないよう杖を没収し、
靴を脱がせた上に足首に鉄球をつけて彼女が逃げられないようにしました。おかげでアピスは満足に歩く事もできず絶体絶命です。

『嫌っ…!売られるなんて冗談じゃないわ!
私をここから出して!!』

アピスは懇願しますが、ピサロは全く聞き入れません
それどころか彼は近くにあった暖炉から真っ赤に熱せられた「火かき棒」を取り出し、それを持ってアピスに近づきます

熱い「火かき棒」を押し付けられるアピスちゃん…

『ウルセーんだよメスガキが…!
言う事きかねーと次はこの棒をオメェのアソコに突っ込んでやるぜ!』

恐ろしい言葉と暴力で彼女を脅して檻に閉じ込めると、ピサロは酒をぐびぐび飲みながら暗闇の向こうへ去っていきました

『ううっ…最悪だわ……!
何とかしてここを出てリトアを探しにいかないと…!』

地上に来て早々、恐ろしくタチの悪い奴隷商人に捕まってしまったアピス。
果たして彼女の運命やいかに……

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