港町「カンナギ」にあるリップルさんの宿屋でしばらく寝泊りする事になったアピスたちは、
住み込みのアルバイトをしている11歳のふたご姉弟グリモワールとジョバンニや船乗りの親子と出逢い、親睦を深めていくのでした
『ねえ!どっちが速いか競争しよう』
『いいね!望むところさ』
船乗りの父親と宿泊していた3歳の男の子ナギサとリトアはすぐに友達になり、一緒に食堂の仕事のお手伝いをしています。
一生懸命がんばる幼子たちを「ふたごの姉弟」は温かく見守りながらフォローしてあげていました
『ね!これ終わったらさ、部屋で遊ぼうぜ♪リトアもこない?』
弟の方のジョバンニ君が陽気に声をかけてきました
『あのね!おにいちゃんたちはスッゲー魔法使いなんだよ!』と、ふたごの姉弟の正体が魔法使いだと初めて聞かされたリトアくん。姉弟は魔法修行の旅の途中で、今は旅費を稼ぐためにこの港町に滞在しているそうです
不思議に思ったリトアは「地上では魔法使いたちが迫害されているはずでは?」と尋ねてみます
するとジョバンニ君は首をかしげました
『迫害だってさ。グリモ姉さん聞いたことある?』
『うーん…大昔はそのような事もあったらしいですが、今は迫害など聞いた事がありませんね
ワタシやジョバンニみたいに、魔法使いも普通に暮らしていますよ?』
どうやら、フリューゲルで一般的に考えられている「地上のすがた」と実際の地上はだいぶ違っているようです。
『ボクと姉さんの一番の得意芸さ!』
仕事が終わった後、部屋で「ジャグリング」を披露するジョバンニ君
リトアは自分もやりたくなって真似をしてみますが、彼のように上手くできずポロリと玉を落っことしてしまうのでした
『あうう!玉を空中で回すのは大変だ…
他の手品もそうだけど、ジョバンニは何故そんな上手にできるのさ?』
マンザラでもなさそうに語るジョバンニ君
旅に出る前は今でもしょっちゅう姉グリモワールさんにしごかれていたという彼…
しかし他でもない大好きな姉からの仕打ちなので、少しばかり虐げられてもあんまり気にしないのだそうです。
リトアはそんな姉弟の事をもっと色々知りたくなってきました
『ボクと姉さんの旅の話聞きたいの?いいよ
あれはさぁ、グリモ姉さんとエルモスの森を歩いた時……』
ジョバンニ君から「旅の話」をたっぷり聞いたリトアくん
地上の人々との出会いにより、彼のなかの世界はますます広がっていったのでした
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