冷酷なる竜の女戦士「ソニア」


ほのおべるもの

サヤカが熱中症で倒れるというハプニングに見舞われながらも、暑い砂漠を歩き続けてようやくオアシスの村へ到着したアピスたち。しかし一行が辿りついた時、村は火の海と化していました……

『ボクの村が、燃えてる…
じ、じいちゃーーーーーーーーーん!!』

祖父を心配して炎の中へ入ろうとしたアルフ君をオックスが『バカヤロー!焼け死にてぇのか』と引き留めます
あまりの熱さで一行が立ちすくんでいると、炎の中からゆらりと人影が現れました

炎を操っていたのはツノが生えたドラゴンの女戦士でした
自らを「ソニア」と名乗ったその戦士は、凶悪な目つきでアルフを見下ろしながら冷淡な口調で言いました

『おまえたちは我々の領土を冒し、盗みをはたらいた
だから罰を与えたのだ…おまえもすぐに仲間の後を追わせてやる』

言うなりすぐさまソニアはアルフに向かって炎を放ちますが、オックスがツルハシで間一髪防ぎます

『てめぇ…子供相手に何しやがる
そっちがその気なら俺様が相手してやんぜ!』

しかし、攻撃を防がれてもソニアは全く動じません

『旅人よ。残念だったな
この私と出会ったのが運の尽きよ』

ソニアはオックスのツルハシをいとも簡単に握り砕いて破壊した後、炎を纏った強烈な拳を彼の腹へ叩き込みました。オックスは血反吐をはいて昏倒し、さらに攻撃の余波はリトアに襲い掛かります

それを見たアピスは思わず『危ない!』と走り出しました

リトアを庇い、爆風の直撃を受けるアピスちゃん

リトアは爆発を受けて吹っ飛ばされたアピスに慌てて駆け寄ります
憐れなことに彼女の身体はこんがり焼かれて、激しいショックのせいで気を失っていました

『ほう、咄嗟に風の壁を作って威力を弱めたか…
なかなかできるねこの小娘……』

ソニアはアピスに興味を抱いたのか、気絶している彼女にゆっくり近づいていきます
リトアは必死に弓で攻撃しますがあっさり避けられて『邪魔するな、チビ!』と踏んづけられてしまいました

『フム。おかしな帽子をかぶっているが容姿はなかなか美しい……
この娘なら、我らが神の生贄として相応しいだろう』

アピスの顔や姿をじっくり吟味した後、ソニアは彼女の身体を抱きかかえて「炎の翼」を広げて飛び去っていきました

炎が消えた時、村人の姿はどこにもありませんでした

アピスは誘拐され、村を燃やされて悲しみに暮れるアルフ君…
目が覚めて事態を知ったサヤカちゃんは涙を浮かべながら、彼や連れ去られたアピスの身を案じました

『お願い……
アピス…村のひとたち、みんな無事でいて……』

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