ワンパク
遅刻魔の小学一年生リクヤ君はしょっちゅう朝寝坊してばっかりの男の子
今朝もやらかしてしまい、危うく遅刻しそうになって全速ダッシュで学校に走っていったのでした
『ふぇ~っ!やばっ!!
こんど遅刻したら先生にゲンコツされちゃう~!』

『ち…ちこくーーーーー!!』
一生懸命走って遅刻ギリギリでなんとか校舎についたリクヤ君は
いつもの青いスニーカーから上履きにささっと履き替え、なりふり構わずに階段や廊下を走って教室へ向かいます
いきなり怒鳴られてすっ転ぶリクヤ君
やっとの思いで教室についた彼の前に立ちはだかったのは学級委員の「
彼女はさっきリクヤ君が廊下を走ってきたのが気に入らず、彼をしつこく責めたてました
『何だい、学級委員だからっていばっちゃってさ!
いちいち指図しないでよ!』
カチンときたリクヤ君は『だって、走らないと遅刻しちゃうじゃん!』と猛反発します
あくまでも自分が正しいと信じて疑わないカネヨさんは顔を真っ赤にして大激怒
口げんかになった二人を見てロミちゃんは『ふたりとも、けんかはダメ!』と止めに入りますがどっちも怒ってて聞く耳持ちません。そこへ同級生の女の子「

ふんわりした雰囲気の紡子ちゃんに優しい口調でなだめられ、二人はあっさり口げんかをやめました
『なんかさぁ!ムカムカしてたの、
ほーこのおかげでどっかいっちゃった!ありがとね♪』
『どういたしまして』
紡子ちゃんはお寺の家の子供で、普段から神事を手伝っているおかげかこのような争い事をたしなめるのには慣れっこなようでした。しかし、そんな彼女に対抗心を燃やす女の子が一人……

『(なによ…リクヤくんとお喋りして!
ずるい…ずるい……!!)』
紡子ちゃんが愛しのリクヤ君に笑いかけられたのを見て嫉妬の炎に身を焦がすかれんちゃん
しかし、マイペースな紡子ちゃんには彼女の「嫉妬心」がぜんぜん伝わらず、あっさりスルーされておりました
–放課後の帰り道–

ぼくビックリしてころんじゃったよ!

しかもあいつ、俺ら男子をストーキングして粗探しとかしやがるんだわ


それをあいつは見てて学校中の女子に言いふらしやがったんだわ

オメェもあの女には気をつけた方がいいぜ。ひでーくずだぜ

彼女、あれでもクラスのみんなの事を一番に考えてくれてるんだから!


誰かが落とし物をした時は真っさきに先生に届けてくれるし!

毎朝早くに教室にきて「植木鉢」に水をあげてるのも彼女よ!

カネヨってめちゃいいヤツじゃん!


隣のクラスの子がわる~い中学生にイジメられていた時にさ!
カネヨさんがその中学生をデコピン一発で倒して助けてあげたんですって♪


やーいブス島!オマエの母ちゃんデベソー!って落書きしちまった……お、オワりだァッ……!)
翌日、自分の靴を濡らした犯人がコテツだとすぐに気づいたカネヨさんは
彼にきつ~い制裁を与えるのでした
余談…

放課後、靴を履き替えたロミちゃんは脱いだ上履きを自分の靴箱に入れようとした時、
靴箱の中に怪しげな手紙が置いてあるのに気づきました
『『リクヤくんへ 愛してる』…だってさ。
やだ、これって…だれかが入れ間違えたのかしら?』
それはかれんちゃんがこっそり入れたラブレターでした
リクヤ君とロミちゃんの靴箱は隣同士なので、間違って彼女の方に入れてしまったようです。リクヤ君はスニーカーでロミちゃんはブーツなので靴箱の中身をみれば一目瞭然なのにやはり恋は盲目…

リクヤ君がしつこく『見して!』とせがんでくるので
ロミちゃんは『なんでもないのよ!』とあわてて手紙を胸の中にしまい込みました
『(こういうのはちゃんと本人が渡さないとイミないし!
とりあえず、わたしが預かっておこう!)』
しれっとラブレターを没収するロミちゃん
その後、帰る途中でロミちゃんはころんで川に落ちてしまいラブレターはあえなく水没したのでした…
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